42歳を目前に、見たいものなんでも見てやろう精神に取りつかれた筆者が、深夜特急さながらに日本を脱出して、世界中の美しいものをみるために、北欧・ドイツ・フランス・ブラジル・台湾・カナダと、お一人様として参加したツアーの数々で見聞きした出来事を独特の語口で紹介している。
ツアー初回は、オーロラをみるツアーで、スウェーデン・ノルウェーを巡る中で、日中のイベントを堪能しながらも、なかなかオーロラに遭遇できずにハラハラし、同じツアーに参加した人たちとの薄い交流の中での一体感に青春を感じつつも、果たして、オーロラは見えたのでしょうか?
ツアー二本目はドイツのクリスマスマーケットを見に行くツアーで、フランクフルトから入ってローテンブルク、ニュルンベルク、シュトゥットガルトを巡る、3泊5日のタイトスケジュールの中で、ノイシュバンシュタイン城等にも立ち寄りながら、規模も時間帯異なるそれぞれのクリマを満喫します。
続いて三本目はモンサンミッシェルを見るツアーで、パリに着いた翌日にルーアンを経由して右手に海を眺めながらバスの中から、ぼんやりと見えたモンサンミッシェルに感動しながら、対岸の町で名物のオムレツに対する子供の素直な感想に合点した後に、いよいよその門をくぐり、ガイドさんお話に感心したりツアー仲間との距離感を分析したりしつつ、対岸のホテルよりも中のホテルの方が良かったのではないかと気づきます。
お次の四本目のツアーでは、本場のサンバカーニバルを見にアメリカのダラス経由でリオデジャネイロに降り立ちますが、体調のよろしくない中での長旅と機内の乾燥にやられて高熱に見舞われながら会場に入り、結局は9時間もの長丁場に高揚しながら、昔参加した青森のねぶた祭りを思いだしたりしているうちに、イベントを朝まで観てスッキリし、おまけのイグアスの滝に感動しつつも、人間関係の煩わしさにも少し触れます。
五本目は、天燈を飛ばしに台湾行きますが、冒頭での一度でいい、もう充分と、何やら不穏当な感想に、何があったのか、はたまた何もなかったかと思いきや、十份と九份でそれぞれ、二回に渡り願い事を書いて天燈を上げるが、合間には鼎泰豊で小籠包を巡る心理戦を展開し、故宮博物院でツアーとはぐれて焦ったりしながらも、夜空に吸い込まれていくいくつもの赤い天燈の美しさに満足し、あまりの尊さに一度で充分と感じます。最後の六本目は、赤毛のアンでお馴染みのカナダはプリンスエドワード島で、ゆかりの場所をあちこちと訪れて、お化けの森を歩いたり、グリーンゲーブルズのアンの部屋で割れた石板を見たたりした後は、ケベックでメイプルシロップを使ったしゃぶしゃぶのタレのレシピを知り、トロントではナイアガラを見に行って、滝つぼの間近まで迫るクルーズ船に乗ります。
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